ブレードジギング専用ロッドはインショア汎用ロッド! 都市部在住のソルトボートフィッシングで使えるロッド

 以前、オフショアで一番汎用性が高いのは、キャストができるSLJロッドだという記事を書きました。オフショアというと外洋という意味があるので、湾口部や岸が見えるボートでの釣りはオフショアと言わないみたいで、ちょっと言い得てなかったかも知れません。シマノは、湾口部や岸が見えるボートでの釣りをインショアと言っているし、瀬戸内のほうではミドルゲームとかいうみたいですね。

日本は、四方を海に囲まれている国なので、インショアと言われても地域性もあってよくわかりません。自分の釣りを言い表すと都市部在住のソルトボートフィッシングとしか言いようがないかも。東京湾、相模湾、外房、鹿島とかでボートに乗って釣りをしています ということ。

そんな釣りをしていて、キャストができるSLJロッドは本当に使えるなあと思っているのですが、そういうロッドが一つのジャンルとして確立しつつあります。それは、ブレードジギングロッドです。ボートシーバスロッドのラインナップから、リアグリップを長くしたブレードジギングロッドが出たり、ジギングロッドのラインナップから、リアグリップを短くして、ガイドを少し大きくしたブレードジギングロッドが出ています。既存のラインナップ外で新規に出しているメーカーもあります。共通しているのは、キャストもバーチカルもできるということ。必然的にリアグリップの長さは、ボートシーバスロッドより長くジギングロッドより短くなっています。サワラの人気が高く、ブレードジギングはいろいろな魚が釣れるからそういった専用竿が続々出ているのだと思います。このロッドの性質が、都市部でボートに乗ってソルトルアーをやるのに本当に適しています。

ブレードジグで釣った魚を並べると、サワラ、イナダ(ワラサ含む)、タチウオ、シーバス、マダイ、マゴチ、ヒラメ、アカハタ、カンパチ、アジ、サバ、ムロアジ、カレイ、シイラ、エソ(多数) 思い出しただけでこれだけあります。さらに、同じロッドでブレードジギング以外もできるので、一番魚を釣っているロッドは、ブレードジギングロッドだと言えます。



自分が持っているブレードジギングロッドは、LEGIT DESIGNのSKS70MH+-SAWARA BLADE JIG SPECIALだけです。が、ベイトリールでブレードジギングをするのが好きなので、同じくLEGIT DESIGNのSKC610M-SEABASSのリアグリップを3インチ(7.5cm)延長して、SKC-71M-BLADE JIG SPECIALだと思って使っています。LEGIT DESIGNの大きな負荷がかかった時はしっかり曲がるが、重いルアーでもキャスト時にダレない感じ、アラミド繊維補強が(20年以上前にFenwickのTechna AVを手にした頃からそうですが…)とにかく好みです。

ブレードジギング専用ロッド と言っても、SLJ/シーバスよりのもの、LJ/青物よりのもの、と二つにに分けられるかも知れません。写真のSKS70MH+-SAWARA BLADE JIG SPECIALは後者。シーバスロッドの改造は当然前者です。

ブレードジギングロッドを紹介する前に、汎用的でも難しい釣りはあるので先にあげます。ライトな方向で言えば、バチコンアジング、ティップランエギング、イカメタルあたりは難しいと思います。ソリッドティップの繊細さが無いというのが大きいですが、パワークラスが違うのでそもそも魚がのらない、バチコンアジングで経験済みです。ヘビーな方向は、リールやラインを強くすればかなりの範囲で使えて、シイラくらいは射程圏内。キャスティング、ジギングともSW6000番くらいがギリで、SW8000番を使うような釣りには向いていません(モノによっては対応しているかも知れませんが・・・)。


① SLJ/シーバスよりのブレードジギングロッド

ブレードジグは30, 40gくらいがちょうどいい感じ、適合PEラインはMAXで1.5号くらい。東京湾のサワラで使いやすいです。SLJで使えるところが大きく、鯛ジギやキャスラバなど鯛を狙うのも得意。他にはワインド、スイミングジグヘッドやバイブレーションなど巻きの釣りにも対応します。

ロッドは汎用的ですが、合わせるリールがセレクティブ。ブレードジギングの高速巻きに合わせると、4000XGやLT5000-CXHなどハンドル1回転の巻上量が1mを超えるもので、PEは1.2号くらいあったほうがいいです。SLJのワンピッチや鯛ジギやキャスラバの巻き速度を考えると、4000PGの72cmとかPC LT3000の77cmが使いやすく、あっても80㎝代後半くらいまでかなと、PEは0.8~1号くらい。ですからターゲットによってリールを選ぶ感じにはなると思います。


〇 シマノ グラップラー タイプブレード S70-0

 キャストウェイト MAX 60g、バーチカルウェイト 20 - 80g、適合PEライン MAX1.5号

23AW新製品です。そもそもType-LJのS66-0というSLJロッドがブレードジギングでも使いやすく、よりキャスト方向に性格を寄せた感じだと思います。実売価格2.3万円くらいですかね。かなりおすすめです。キャストウェイトは、アンダーやサイドからのキャストを想定しているそうです。


〇 ヤマガ SeaWalk CastJigging SS 71ML

    オーバーキャスト MAX 40g 、アンダーキャスト MAX 60g、適合PEライン MAX1.5号

SeaWalkにブレードジギングを基軸にした、Cast-Jiggingというシリーズが加わりました。発売開始は10月1日だそうです。アンダーキャスト Max 60gなのでS70-0と同じくらいのロッドだと思います。


〇 ジャッカル スクランバ SC-S70L

   ルアーウェイト 10 - 45g、適合PEライン MAX2号

吉岡進監修。激戦区の東京湾で貴重な1本をものにする繊細なティップ、魚の引きに追従して素直に曲がり込みバラシを軽減するベリーを持ったモデル。小型船でも扱いやすい7ft設計で手首を使ったショートキャストでも正確にピンポイントを狙うことができます。

とのことです。バットガイドがダブルフットでPE MAX2号なので青物よりかと思ったのですが、ルアーウェイトが10 - 45gで東京湾という事で①カテゴリーにしました。ルアーウェイトはオーバーキャストを想定しているっぽいので、アンダーなら60gでもいけると思います。


〇 tailwalk JIGFORCE SSD S651-LJ

30~60gのブレード付きメタルジグをキャストして幅広く探っていくブレードゲーム(ライトジギング)専用設計。また、100gまでのメタルジグをバーチカルで使用する通常のライトジギングにも順応する。アンダーキャストの際には邪魔にならず、リトリーブ時には脇挟みもできるよう、リアグリップは絶妙なレングスに設定。また、キャスト時やファイト時に最適な曲がりを見せるパラボリックなアクション設計とすることで、サワラやサゴシの口切れを抑えつつもブリクラスの青物をいなすパワーを持つ。遊漁船/店舗スタッフ/この釣りに精通するアングラーたち、さまざまな人たちの現場の声をひとつにまとめ上げたモデル。

シーバスよりなのか、青物よりなのか、その中間なのか判断できませんでした。我がTokyo North Side Itabashi-kuのエイテック、通った小学校から徒歩3分、だけどtailwalkは使ったことがないのでわかりません。説明文を読むと、東京湾のブレードジギングにはまりそうなので①とします。ブレードジギング専用ロッドとして最安クラス。


② LJ/青物よりのブレードジギングロッド

ブレードジギングをしているとよく青物も釣れるので、こちらのカテゴリーのほうが多いのかも知れません。いずれにせよシーバスと青物の間という痒い所に手を伸ばしたロッドっと言えます。鯛や砂地でのフラットフィッシュは①に分がありますが、シイラやロックフィッシュのリフトアンドフォール、スイミング、ワインドはこちらのほうが得意です。PE 1.2号以上を使いたいので、リールは、4000番からSW6000までのXGがあっていると思います。ロックフィッシュにはHGやPGのほうが合っていますが、そこまでシビアではないのでリールを替える必要はないかと。


〇 シマノ グラップラー タイプブレード S68-1

 キャストウェイト MAX 90g、バーチカルウェイト 30 - 120g、適合PEライン MAX2号

S70-0より大型のサワラや青物を想定しています。東京湾でもメーターオーバーが釣れる秋以降や、湾口部から南のブレードジギングにはこちらが向いているかなと。リールは、重さが気にならないのであればSW5000-6000XG、軽快に使いたい場合は、4000XG、C5000XGになると思います。中間的なSW4000XGという選択もあります。114gとこの手のロッドとしてはかなり軽量なのも特徴的。


〇 LEGIT DESIGN SKUAD SKS70MH+-SAWARA BLADE JIG SPECIAL

 適合ルアー MAX 100g、適合PEライン MAX3号

私の愛用機。大口径ガイド、PE MAX 3号なのでスペックだけ見るとかなり強いように思えますが、実際は30gのブレードジグでも何ら問題なく使え、ちゃんと曲がってくれるロッドです。バットガイドがシングルフットなのは、そういう意図があってのことだと思います。パワーがあって粘る感じのブランクです。4000XG、SW4000XG、SW5000XGを付けてどれでもサワラが釣れていますが、好みはSW4000XGです。


〇 ヤマガ SeaWalk CastJigging SS 73M

    オーバーキャスト MAX 60g 、アンダーキャスト MAX 80g、適合PEライン MAX2号

73Mは71MLに比べてブランク全体の張りを高めており、マックス80gまでのメタルジグを使用しての広範囲&深場攻略を前提としたモデルです。

とのこと。S68-1と同じくらいの感じですが、73なので7インチ(18㎝)も長いです。身長が高いとか、ミヨシで釣りをするとか、オーバーキャストメインの場合はいいかも知れません。


〇 テンリュウ BAY BLAZE BBZ6112S-MH

 適合ルアー MAX 100g、適合PEライン MAX2.5号

ボートシーバスロッドのラインナップですが、LJ/青物よりのロッドです。8月に登場とのこと。SKS70MH+-SAWARA BLADE JIG SPECIALに近い感じでしょうか。BAY BLAZEは3本持っていますが、リアグリップが短くて使っていないBBZ732S-MMHを売ってBBZ6112S-MHを買うことになりそうです。適合リールは、ダイワLT4000-SW6000、シマノ4000-SW6000。


〇 ダイワ アウトレイジBR LC70-2.5

 ルアーウェイト MAX 55g、適合PEライン MAX 2.5号

PE1~2号でのブレードジギングや高比重メタル系ルアーの高速リトリーブに最適なモデル。しっかり脇で固定してリールを巻けるようリアグリップを長めに、そして遠投性と操作性の両立を狙いレングスは7ftに設定。足場の低いボートでのキャスティングや乗合船でのアンダーキャストもしやすい。ターゲットはサワラ、小~中型青物など。

ルアーウェイト MAX 55gですが、オーバーキャスト想定のはず。自重が180gもあって、バットガイドはダブルフット、完全に青物向けのロッドなのかも知れません。ですから今回のテーマである汎用性からは外れるかな。ロッドの自重を考えると、リールはSW機、SW5000-CXHとかになると思います。ダイワは、タングステンのブレードジグを出しているし、この手の釣りの紹介を頻繁にしているイメージですが、ロッドはこれと言った専用機がないです。SLJ、LJロッドで楽しもう!みたいな感じですが、全部6'6以下で短い。アウトレイジSLJの66MS-MTを持っていますが、メタルトップに小口径ガイドがついているので、6号以上のリーダーを結ぶキャストに向いているとは思えません。それにロックフィッシュなどで使うとメタルトップのせいでシンカーがスタックしそうです。ですから66MS-MTはSLJとワインド特化です、空中戦の感度は他の追従を許さないレベルでいいのですが、汎用性は低いです。


最後に汎用性が高く、コスパ最高クラスのラインとリーダーを紹介しておきます。

バーチカルに誘いたい場合、5色マーキングのあるラインがいいですが、サワラに切られるのでホワイトマーカーはNG。同時にキャスティング性能もいいというラインを探す必要があります。そういった性能を有していてコスパがいいのは、Super X-wire 8 イエローマーキングだと思います。


リーダーは、ブレードジギングにはフロロのしなやか系、ロックフィッシュなどボトムの釣りには感度重視の硬いフロロなど、人によって考え方の違いはありますが、そんな感じだと思います。感度重視の硬いフロロの出番は、しなやか系より少ないかなというのが、私の感覚。しなやかで強度が合ってナチュラルカラーで安いリーダーは X-BRAID RED OCEAN V6 船ハリス だと思います。100mで1000円を切るので、安すぎて信用できないと思う人がいるんじゃないかと心配なレベルですが、正直、フロロリーダーは全部これに替えろと 言われたとしても全く問題ないくらいです。

コメント

匿名 さんのコメント…
いつも大変参考になります。
ブレードジギングのロッドはご記載の通りシーバスロッドと比較してグリップの長さとガイドの大きさ(トラブルレス性能)が重要ですね。
私は電車釣行の頻度が高く、都内在住で家も狭いことから仕舞寸法の短さを重要視しています。
ヤマガの新製品はグリップジョイントではなくセンターカット2ピースなので購入を検討しています。
ゆ♨ さんの投稿…
コメントありがとうございます。
都市部在住のソルトボートフィッシングで使えるロッドとか書いておいて、仕舞寸法を書いていませんでした。何気に大事な要素ですよね。しかも、最近はセンターカットだからと言って性能が劣るようなことはほとんど無いですからね。
そう考えると、ヤマガはよく出してくれたって感じですね。あとはジャッカルのスクランバSC-S70Lもセンターカット2ピースみたいです。

私は、 BBZ6112S-MHを買ってSW6000XG PE2号にナイロン8号リーダーという、あんまり東京湾っぽくないタックルも使ってみようと思います。112cm/1回転のアドヴァンテージがあるのかどうかの検証がしたいです。もし超早巻きが東京湾でも強いのであれば、ベイトリールをダイワのソルティスト TW 300XH PE SPECIALにして、109㎝/1回転を手首巻きする爆速タックルの導入も考えます。
あと、フロロリーダーを太くするとアタリが遠のくのは経験上わかっているのですが、それはしなやかなナイロンでも同じなのか違うのかも知りたいです。
匿名 さんのコメント…
ご返信ありがとうございます。
昨年まではセルテートLT4000CXHをメインに使用していましたが、50g以上になると若干パワー不足を感じる場面もあったので、今年はセルテートSW5000XHを試してみる予定です。
超早巻きの検証結果が気になりますね。
私はサイズ(重量)による釣果の差を検証する予定です。60g以上でもバイト数にほとんど差が無ければ手返しの観点から確率を高められるのではないかなと(シーズン終盤はタングステンの80g以上を使えると面白そうです)。
ベイトリールは未導入ですが、巻上げトルクと着底がわかりやすいメリットがあるので、風上へのキャストに良さそうですね。
リーダーはボートシーバスロッドをメインにしていたので、トラブル防止の観点からナイロン20lbを使用しています。元々フロロ派でしたが、昨年からオフショアでキャストを伴う釣りは全てナイロンに変更しました。
細めのリーダーですが、経験上ミノーのジャーキングと異なりブレードジグはラインブレイクが少ないと感じており現状問題なしです(直線的な動きなのでミスバイトが少ないこと、反転したタイミングでリアシングルがカンヌキに掛かることが要因?)。

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